皆さんこんにちはこんばんはおはようございます。Mr.Yushiです。


今回は、タイトルを見てもわかるように、前回の選曲論のイントロの続編で、第一回目の「オーケストレーションとバンドの適合性」について述べていきます。
*あくまで素人の意見ですので、間違っていても価値観の違いなんだなと見逃しましょう。

選曲論:自由曲編①オーケストレーションとバンドの適合性

 皆さんは選曲したことがありますか?
 選曲とは幅広いもので、吹奏楽やオーケストラのバンドのコンサートメニュー選曲もありますが、皆さんの身近なところでいうと、車の中で聞く音楽や動画のBGMなんかも誰かしらが選曲して流しているものですよね。その場や雰囲気によって曲を変えたりして、より盛り上げたり、リラクゼーション効果を生む場合もあります。
 そんな中で今回は、吹奏楽の選曲について考えていきたいと思います。
 まず、サブタイトルに書かれているオーケストレーションについて説明しようと思います。こんなのいきなり言われてもわからないですよね。私もです。



orchestration(管弦楽法)
 管弦楽を作曲する際に個々の楽器の特性を考慮しながら音色効果に対する作曲家のイメージを実現する方法、さらにはその技術論をさす。
 楽器法instrumentationと同義に扱われることもあるが、楽器法が広く個々の楽器の性能とさまざまな音色を効果的に選択、結合する技術一般にかかわるとすれば、管弦楽法orchestrationは歴史的観点から、特に17世紀中期以降の、使用楽器が指定された比較的大規模な管弦楽曲に関して言われる。


 つまり簡単に言えば、楽器の個性を生かして作者の意図を奏者や観客に伝える手法ということです。
 簡単な例を挙げてみましょう。
 ロッキーのテーマを思い出してください。この曲の出だしや、サビのかっこいいトランペットの旋律が、かわいらしい音を出すフルートだったとしたらどうでしょう。おそらく筋肉隆々の主人公のイメージはか弱く華奢な乙女のイメージになってしまいます。

 このロッキーの例からもわかるように、作曲者が表現したい曲のイメージに合わせて、曲も構成されているのです。我々表現者である奏者は、この作者独自のオーケストレーションに寄り添えるような演奏をする必要があるのです。作曲家たちもプロなので、各楽器の特徴や個性を理解したうえで、それらが効果的になるように構成しています。その意図に寄り添えるようなバンド構成を考慮する必要がありますね。
 では、オーケストレーションとバンドの適合性はどのような場合に高まるのかを考えていきましょう。
 想像してみてください。今からは皆さんのオリジナルのバンドを作っていきます。
 まずは曲に合わせたバンド構成をシミュレートしていきます。
 今回はホルストの組曲『惑星』より「木星」に最適なバンドを作っていきます。

 序盤のクラリネットから始まり、ホルンのメインテーマが特徴的ですよね。序盤は木管とホルン及びユンフォニアムとトロンボーンの独壇場です。丁寧な演奏ができるホルン奏者と木管は高度なフィンガリング技術が求められます。そして、効果的なパーカッションも外せません。特にティンパニは要所で宇宙の無情さであるとか、パッシブな部分を演出するので欠かせませんね。そして、中盤の超絶有名なあのメロディーは、最初はホルンサックスの中音域の活躍です。
 ここまでを振り返るとやや直管属(TpTb)以外に編成が偏りそうです。そうなんです!クラシック以降のホルトのような作曲者の場合、トランペットやトロンボーンはハーモニーを主に担うためあまり多用されません。しかし、Tpは天使が吹く楽器。なにか神聖なサウンドがするので、何かメッセージがあるときに要所に出てきます。Tbも同じく、あまり目立ちませんが、大事なのはグリッサンドの効果。所々で必要になります。TpとTbは旋律・対旋律の関係でよく構成されるので、バランス的には5:5がちょうどいいですね。
 今のところ、木管とホルン多め、直管はそんなに多くなくていいけどバランスは均等に、といった感じです。
見落とされがちですが、実はこの曲、木管以外に難易度を要すのが低音族なのです。しかも、もともとがオーケストラの曲なだけあって、中低音にサウンドの比重が偏っています。曲のバランスとしては、高音:中音:低音=3:4:3みたいな感じになってます。なので、できるだけこの編成に血がづけるようにしたいですね。
 次は逆に、バンドの編成に合わせて曲を選んでみましょう。まったく無作為に架空のバンドが置かれている状況を演出してみます。
・低音がかなり多い。
・木管が少ない。
・Tpが少なくTbが多い。
・ホルンが結構いる。
・パーカッションが少なめ。
以上の条件を満たせそうな曲を探します。まずはパーカッションが少なめということなので、最近の曲や、激しめの曲は楽器転換が難しそうなので却下です。どちらかというと静かめで、メッセージ性の強い曲になるかと思います。Perが少ないことを理由にクラシックを選ぶとかえってTbの良さを発揮できません。今回は吹奏楽オリジナルの曲になるかと思います。木管が少ないので、オーケストレーションでいうと中低音を中心にサウンドが構成されている曲がいいですよね。そして低音が多いことも重要になってきます。つまり、低音を用いた盛り上がりを大いに再現できることになります。
 以上の要素を踏まえて私が練りだした答えは、「吹奏楽のための協奏曲/高昌帥」です。

 最初のTp・Tb主役のダークなファンファーレ。そのあとの木管による速いパッセージ。なんといってもホルンと低音が盛り上がりをつかさどるこの曲は、条件を効果的に生かせていると思われます。木管はソロパートがたくさんあって、人数が少なくても個人の力量があれば、曲は成り立ちます。
 皆さんはどんな曲を選曲しましたか?どんな選曲であっても、最後はバンドの努力次第ってとこがありますけど。でも選曲も大事なコンクールの要素のうちの一つです。
 最後に、最近のコンクールの勝ち方なるものを選曲論の観点で分析しておくと、ソロが多数盛り込まれている曲はそのソロの部分で時間を稼げて、個人の力量もアピールできますし、何といっても審査員はソロに弱いんです。講評用紙にソロのダメ出しをすると個人を攻撃しかねないので。これも勝ち方の一つ。やはりどんな強豪校でもだいたい、1分ぐらいはソロに時間を使う曲を選んでいる気がします。気のせいですかね?笑

最後まで読んでいただきありがとうございました。また次回お会いしましょう。